印刷業界は長い間、工場で働く人も営業の現場も男性中心でしたので、そこに印刷機械を納入してきたKOMORI社員の男性比率が高いのは必然だったのかもしれません。ただ、他の業界から中途入社した私には、社員の皆さんがとても人当たりがよく、穏やかな社風に、何だか癒されるような…。男性社員が多い分、逆に女性に対して気遣いのあるやさしい会社だなという印象を持ちました。この数年は女性活躍推進を掲げて最長2年取得できる育児休暇や、時短勤務など制度面が随分整いました。復職後のメンタルケアや特定部署に制度利用者が重複した際のワークシェアリングなど、まだ課題はありますが、働く環境はより良くなっていくでしょう。みなさんは就活で志望企業を選ぶ時、女性の働く環境をどの程度考慮に入れましたか。
私が重視したことの一つは、長く働ける会社であるかどうか、ということでした。今後どのようなライフステージを進むにしても、自分の事は自分でできる経済力が今の時代必要だと思っていますし、男性も女性も仕事をやり、家事もやるべきだと思っています。私の両親が共働きということも関係していると思いますが、母親は家事もしながら当たり前のように働いていました。一方で女性は出産、育児、介護などライフステージの変わり目において、影響を受けやすい人も多いと思います。いくら男女平等とは言っても、女性に負担がかかりやすいのもまた事実なので仕事と両立するには、そのような面に理解のある会社だといいなと考えていました。就職四季報女子版を見れば各企業の制度面だけでなく、女性社員の勤続年数や育休取得率、育休後の復職率など色々なデータはわかります。KOMORIの女性社員は多くありませんが、制度はきちんと整備されていて、活用する人も多いので長く働ける環境だと思いました。
私の周りでも出産や育児で会社を辞める人は少ないですし、制度利用がしやすく安心して働ける会社だと思います。この何年かで会社が大きく変わったことの一つが、女性社員の役割ではないでしょうか。係長が以前の会社の印象を「女性にやさしい」と仰いましたが、その頃のやさしさには「女性は大変な仕事はしなくても大丈夫」という意味合いもどこかに含んでいたと思います。確かに居心地のいい環境でしたが、それゆえに私の場合は、気がつかないうちに甘えてしまい、意識が低くなっていたかなと今では思います。私は10年ほど前の新卒入社ですが、家庭の事情で転勤が難しかったので一般職で入社しました。当時はまだ男性が総合職で、女性は一般職という不文律があり、女性社員が活躍できる場は限定されていました。それがここ数年で女性にも大事な仕事を任されるようになり、仕事内容にもよりますが、男女の仕事の境界線はほとんどなくなってきたかなと思います。むしろ、今までやってこなかった業務を任され、求められる仕事の質の変化に対応するのが大変な状況だと感じています。
同感ですね。わかりやすい例でいうと「お客様向けのセミナーをやります」となった時に、以前の女性社員は受付やお茶出しが主な仕事でした。それが今は、司会を任されたり、機械の仕様説明をしたり、発表のためのプレゼン資料を作ったりと、色々な業務を担うようになりました。女性が比較的不得手とされる折衝などもありますし、担当領域が広がることで付帯する仕事も増えます。セミナーの準備段階から市場調査など企画に携わるのも今や普通です。今年入ってきた女性社員は、最初から企画の仕事に関わっていますし、経験を積めば、主戦力になっていくでしょう。まだ部署によって多少差はあるかもしれませんが、女性社員の人数も徐々に増えていき、あるゆる部署で活躍の場が広がれば、会社全体が活性化していくと私は見ています。
私は今年度から職系を一般職から総合職に転換しました。今まで営業事務を中心にやってきましたが、最近は様々な業務改善にも携わるようになり、自身に要求されるタスクが変わってきたことで仕事の向き合い方そのものが「今までの当たり前」では通用しなくなってきたと感じたからです。年次的にもキャリアを見つめ直す時期でしたし、会社の変化の中で自分のこれからのあり方を考えた時に、私自身の意識も変え、仕事の幅をもっと広げていくチャンスだと思いました。数年前から女性でも総合職として入社するのが主流となり、今では若い女性総合職の方がそれぞれの部署で力を発揮しています。あと数年は過渡期になると思いますが、男女の仕事の線引きはなくなり、みんなで連携してKOMORIの業務改善や事業変革を推進していく形が整っていくと思っています。
私も総合職として様々な仕事を経験しながらキャリアを磨ける会社だと思っていますし、それがモチベーションにもなります。ただ、これは自分の反省点でもあるのですが、女性社員の役割という面でKOMORIは今が過渡期にあり、そこで少し戸惑いながら仕事をしていたところがありました。印刷機械の稼働状況を確認できる新しいサービスを始める際に、営業マニュアルの作成や管理帳票などの運用フローをまとめるプロジェクトに関わったのですが、当時の私はどう関わるのが女性総合職である自分に求められているか手探りの状態で、いま一つ踏み込めませんでした。今思えば工場に赴いて実物を確認したり、営業の方の現場を見にいくなど、動けることは色々あってそれによってもっとプロジェクトに貢献できる立ち回り方があったはずなのに…。間接部門という枠に変にとらわれて自分の仕事に壁を作ってしまいました。新しいことに取り組むときは、新人もベテランもスタートは変わらないはずで、自分の強みを作るチャンスを逃したと後悔しています。係長はPESP事業を一から立ち上げられたメンバーのお一人だと伺っています。前例のないことに挑戦するには強い精神力が必要だと思いますし、そういった姿勢を見習って、今度は必ず前向きに取り組みたいです。
※記事内容および社員の所属は取材当時のものです。